空き家はなぜ増えるのか?〜管理メンテナンス

By 2020年3月8日ビジョン

日本の空き家は増加の一途で、近い将来に空き家率が30%を超えると言われています。つまり、自分が住んでいる住宅の右隣りか左隣りのどちらか一つが空き家になるということです。一方、日本の建築規制が甘いため新築が大量に供給されています。新築を1件建てると、空き家が1件増えるという状況です。

賃貸で入居者を募集するためには、綺麗にしなければ、賃貸市場に参加することすらできません。いろいろな賃貸物件をお客様をご案内していると、「この物件は空き家になるな」と分かる物件があります。コンクリートの建物は最低100年はもちます。あるいは200年持つかもしれません。鉄は錆びるので、建物に地震などでクラックが入った時に、すぐに修理をしてクラックを塞げば良いのですが、クラックを放置していると雨水がクラックから侵入して、鉄骨が錆びます。

木造は、柱や梁で使われている木そのものは、実はしっかりしています。古い木造住宅で使われていた木は、再利用することが十分可能です。しかし、修理をこまめにしていないと、建物のあちこちが痛みます。一度に修理を業者に依頼すると、修理費が高くなります。修理を少しずつ放置していると、やがて投資が大規模化し手に負えなくなります。

新築マンションの浴室は、中古物件と、賃貸市場で競合すると、やはり強いです。どうしても中古物件は、新品の浴室に勝てないので、新築物件の成約率は、中古物件と比べると、高くなっています。

日本には欧米のような厳しい新築の建築規制がなく、このまま放置していると、日本の「住宅の使い捨て」に歯止めはかからない、というのが私の現場の実感です。

このままだと空き家はどんどん増えると思います。

しかし、このような日本の環境下でも、近い将来、中古物件が新築物件よりも流通量が増えると予想されています。個性あふれる魅力的な中古住宅が、まもなく次々と登場し日本人の価値観が変わる日が来ると思います。