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日本文化

奈良県吉野山の銘木

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今月私たちは、奈良県の吉野川の川沿い付近にある材木関係の商売をされているいくつかの事業所を訪問しました。

 吉野川は、奈良県の中心部と和歌山県の北部を流れて海まで続いていますが、この川沿いに材木の製材業や、家具加工業が多く点在しています。地理的に、吉野山や和歌山県の山から伐採された木を、運搬するために、吉野川が利用されたと思います。かなり古くから材木関連事業の歴史があると考えられます。

 私たちは、吉野山の細く荒れた道路を車で走って、黒滝村にある徳田銘木さんを訪れました。事前に徳田さんに電話を入れると、「はーい、どうぞ、どうぞ、いらしてください」と快く親切に私たちの訪問を受け入れてくださいました。

 徳田銘木さんの建物の中に入ると、びっくり仰天、膨大な数の自然木が並べられていました。この一帯には、林業、材木製材業を営まれている業者さんが多いですが、皆同じことをしているのではなく、それぞれ違うように見えました。中でも、徳田銘木さんは、自然木を堂々と扱う経営戦略を立てておられ、特筆に値すると思います。

 徳田銘木さんを訪問した人のほとんどの方は、木の大きさや品質などの商品に驚かれると思いますが、私は違いました。木の素晴らしさよりも、3万点ともいわれる形が異なる自然木が、倉庫の中で数字が書かれたラベルがきちんと貼られ、整理整頓されていたことです。徳田銘木さんは、管理能力が非常に高い点で、私は感心しました。経理の内部統制(Internal Control)も優れていると思います。

 私はすっかり気に入ってしまいました。せっかく山奥まで来たので、私の車に乗せることのできる量だけ、徳田銘木さんの木を購入させて頂きました。木を使って、ダイニングテーブルや棚を作りたいと思います。徳田銘木さんは、林業ですので、山から良質の杉や桧を伐採して頂きます。その木を使って何をするかは、購入者の創造力Creativityにかかっています。芸術家の方もおられるようです。購入者の創造力によって、自然木の利用範囲「どう活かすか」は、大きな可能性を持っていると思います。

え?これが商品ですか?!

高級外国人エキスパッツこそが都市文化発展の原動力~「場」の「重層効果」

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(写真:当社の関西空港近くの物件 当社撮影)

例えば東京の六本木ヒルズのキーテナントは、ゴールドマンサックスという外資系企業です。外資系企業のエキスパッツは、所得が高いため高付加価値の消費をします。少し割高のオフィス、少し割高の住宅、少し割高の商品をお店で買い物をします。不動産開発者は、これらの高いレベルの消費に対応できるサービスを提供しなくてはなりません。

(写真:ザ・リッツカールトン大阪 2020年3月)

進化論のダーウィンの奥さんは、イギリスのウェッジウッドのお嬢さんです。ダーウィンは、裕福な医者の息子で、奥さんも、裕福な事業家の娘なので、ダーウィンは、大学教授になって給料を大学からもらうなどという下種なことはしませんでした。そしてダーウィンは、世界へフィールドリサーチに出かけました。

ウェッジウッドは、高付加価値商品ですが、低価格戦略を打ち出した時代もあったそうです。しかし、ウェッジウッドは、価格を下げても販売数は同じでした。そうしてウェッジウッドは、「高付加価値の商品は、価格が高くても低くても販売数は結局同じ。」「所得の高い人たちは、良い商品は価格が高くても買う」ということに気が付いた、といいます。

力のある人、才能のある人、魅力的な人が、不動産と都市を変えます。その主役は、実は高級外国人です。このような人たちの周りに、新しい人が集まって来ます。魅力のある人は、別の新しい魅力のある人をその場所に惹きつけます。そして、また別の人を、惹きつけます。これを、「重層効果」と呼びます。都市とは、このようなコミュニケーションの場だと思います。

東京の広尾、麻布あたりはこのような外国人が住んでいるため、街を少し歩くと雰囲気が他の地域と比べて洗練されていることを感じるでしょう。関西でも神戸は昔から居留地があったため、外国人の文化があります。今は東京と比べると規模が小さくなっていますが、それでも神戸はファッションがおしゃれという伝統が今も残っています。

当社はこれらの外国人に対応できる付加価値の高い住宅のデザインを提供しています。

当社の事業が日本の都市文化発展のエネルギーの原動力となるべく頑張りたいと考えています。

(写真:ディオスのインテリアコーディネーター 筆者撮影)

 

Greatly admired business 賞賛されるビジネス ~Corporate Identity 組織が目指すベクトル

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個人がアイデアを考え、創造する。別の個人が、そのアイデアを評価したり批判したりする。技術を高め合い、一緒に学ぶ。個人がのびのびと自由に、自分の個性を出すことができる。

こういう組織を俗に、「風通しの良い会社」と言う。

ボストンのハーバード大学のクラス担任の先生に、私は質問をしたことがある。

「ハーバードの強さは何ですか?」と私が質問した。

博士課程を終えたばかりの若い美人の先生だったが、研究者らしく慎重に言葉を選びながら、「Discussion」と短く私に答えた。

アメリカの大学は、半分以上がアメリカ人ではなかったりして、世界各国から学生が来るので、多様性Diversityに富んでいる。

そして、この個性と多様性こそが、知恵を生んでいるのである。

日本の組織(学校、会社)は反対で、残念ながら多様性が非常に乏しい。

会社の目的は、事業規模を大きくすることではない。

日本では大企業が中小企業よりも良いとされているが、アメリカでは「質が良いのは中小企業」であり、大企業に勤務しているとむしろ能力の高さが疑われる。組織が大きくなると、会議や報告書作成などの業務が多くなり、クリエイティブな仕事をする時間が減ってしまうので、大企業は個人にとってハッピーな環境ではない。日本にずっと住んでいると、個人がものすごく不幸であることにきっと気がつかないのだろうと思う。

従って、仕事にモチベーションを高く持てるためには、①小さい組織、かつ、②風通しの良い組織、という2つの条件を兼ね備えている会社である。

では、そのような会社になるために何をすべきか?

会社が目指すべき目的は、社会から素晴らしいとadmire賞賛される事と私は思う。ビジネスの規模を大きくするのではなく、他人と格闘するのでもなく、研究開発R&D (Research and Development) に全力集中をするべきである。

仲間と一緒に勉強することはとても楽しい。

自由に自分の考えを出し合い、仲間と学び合える事は、きっと素晴らしい組織ができるだろう。仕事が前向きになり、モチベーションが高まる。

福沢諭吉は、「独立自尊」と言った。彼の考えは以下である。

個人が独立して、会社が独立する。

会社が独立して、地域が独立する。

地域が独立して、国家が独立する。

個人が独立することで、仲間との共生が生まれる。

従って、個人が独立してこそ、風通しの良い会社ができる。

株式会社ディオスは、人間にやさしく、地球環境にやさしく、社会から、お客様から、素晴らしいとadmire賞賛して頂けるビジネスを目指します。

                                 代表取締役 深井正博

【流行色・トレンドカラー】2020年は宵の空・海の深潭を連想させる「クラシックブルー」

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PANTONE

世界で最も影響力があるPANTONE COLOR・OF・THE・YEAR

2020年は、「クラシックブルー」に決定しました!!

C100 M76 Y25 K0

CMYKは、Cyan青 Magenta紅 Yellow黄 Key plate黒となっています。

 

クラシックブルーは、紺青に変わりつつある清澄な宵の空の色や、清冽な海の深潭を思わせる神秘的な色です。

それに北斎の愛し、私達日本人の愛した藍の色でもあります。

 信州諏訪湖  甲州石班澤
 相洲梅沢左  相洲七里浜

 

「人間の精神を安らげ、集中力を高め、明晰さを齎す色」として、米企業PANTONE社に2020年のテーマカラーに選出されたこのクラシックブルーですが、この藍色の美しさはむしろ、日本人の感性にこそ響くものがあるように思われてなりません。

それと言うのも、日本には古来より人々の暮らしを彩ってきた藍染の歴史と文化があるからです。

日本に植物の藍が伝来したのは、飛鳥から奈良時代といわれています。

藍は染料として用いた際の美しさのみならず、優秀な薬効を持つことから、貴重な民間薬としても知られていました。

また、藍染めの木綿には抗菌作用があり、皮膚病の予防や傷口の化膿止めにもなるとされ、安土桃山の時代には、幅広く民衆の暮らしに普及し、江戸時代には高級衣装までが藍染となりました。

 

結果、今日に至るまで続く伝統として確立されています。

これに驚いたのは、明治初期に来日し、幾つかの学校で教鞭を取った英国人科学者アトキンソンです。

彼はこの私達の暮らしに深く根付いた藍の色を指して、「ジャパンブルー」と呼びました。

しかし、ジャパンブルーと言いましても、藍色の歴史は我が国に限っても千年以の昔に遡れますから、それに相応しく様々な種類がありまして、こう一口に言い表せるものではありません。

それでも敢えて例として挙げるならば、およそひとつだけ、我が国の芸術文化を語る上で避けては通れない藍色、江戸の人々のみならず、世界をも魅了した美しい藍色があります。

それこそが葛飾北斎の富嶽三十六景に用いられた、所謂「北斎ブルー」です。

色のもつイメージでは、伝統的な安定性印象と共に、モダンな雰囲気も醸し出せる独創的で奥深い特徴があります。

この時代に安らぎが満たされる事を祈ります。

 

(葛飾北斎 画像はwikipediaより)