母の四十九日に思うこと

By 2026年6月23日ビジョン

人は生かされている――母が教えてくれた最後の教え

母・深井章子がこの世を旅立ってから、四十九日を迎えました。

母は九十六年の人生を生き切り、静かに旅立ちました。
その死を前にして、私は初めて、人間にとって「死」とは何か、「生きる」とは何かを、深く考えるようになりました。

人間は、必ず死にます。
どれほど努力しても、どれほど知恵を尽くしても、老い、病、死という現実から逃れることはできません。

母の死は、私にその厳粛な事実を教えてくれました。
しかし同時に、母の死は、私に「生きること」の意味も教えてくれました。

私は、自分の力でこの世に生まれたのではありません。
母のお腹の中で育ち、母が私を産んでくれた。だから私は、この世に生まれることができました。

さらに言えば、私が生まれることができたのは、母だけの力ではありません。
父がいて、祖父母がいて、その前のご先祖がいました。空気があり、水があり、食べ物があり、大自然の環境が整っていました。

私は、自力で生まれたのではありません。
親と先祖を通じて、大きな自然の流れの中で、この世に生を受けたのだと思います。

そして今、私の心臓は動いています。
胃腸は食べ物を消化し、肺は呼吸をしています。

しかし、それらを私は自分の意思で動かしているわけではありません。
そう考えると、私は「生きている」のではなく、「生かされている」のだと思います。

親に生かされ、先祖に生かされ、大自然に生かされ、友人、スタッフ、取引先、お客様、多くの人々に支えられて、今日を生きています。

このことに気づくと、人は自然に謙虚になります。
そして、謙虚さの中から、感謝が生まれます。

私にとって信仰とは、まず「ありがとう」と言うことです。

母に、ありがとう。
父に、ありがとう。
ご先祖に、ありがとう。
大自然に、ありがとう。
今日の命に、ありがとう。

感謝する時、人は一人ではなくなります。
自分が大きなつながりの中に生かされていることに気づきます。

母は亡くなりました。
しかし、母は消えてしまったのではなく、大きな自然の中へ還っていったように私は感じています。

そして今も、静かに私を導いてくれているように思います。
母の死は、悲しみであると同時に、私にとって大きな学びでもありました。

人は、自力で生きているのではない。
生かされている。
だからこそ、感謝し、謙虚に生きなければならない。

私は、母を失って深い寂しさを知りました。
しかし、その寂しさを、ただの悲しみで終わらせたくありません。

寂しさを祈りに変えたい。
祈りを感謝に変えたい。
感謝を思いやりに変えたい。
その思いやりを、人生と仕事に生かしていきたい。

母の介護と死を通じて、私は多くのことを学びました。

老いの弱さ。
食べられなくなる不安。
家族を失う悲しみ。
介護する人の苦労。
人の尊厳。
そして、そばにいてくれる人のありがたさ。

この経験は、私の人生だけでなく、Diosの仕事にも深く関わるものだと思います。

Diosは、単に住宅を提供する会社ではありません。
外国から日本に来られた方々に、安心できる住まいを提供する会社です。

異国で暮らす不安に寄り添い、清潔で、温かく、信頼できる生活環境を整えること。
それは、単なる不動産業務ではなく、人の尊厳に関わる仕事でもあると、今まで以上に感じています。

住まいとは、ただの空間ではありません。
人が安心して眠り、食事をし、家族を思い、明日を生きる力を取り戻すための場所です。

母の死は、私にそのことを、以前よりもずっと深く教えてくれました。

これからのDiosは、もっと共感力のある会社でなければならないと思います。

不安を抱えた方に、安心を届けること。
清潔さを、見た目だけでなく尊厳として守ること。
暮らしの細部に、思いやりを行き渡らせること。
住まいを通じて、人が人間らしく生きられる環境を支えること。

その積み重ねこそが、Diosの価値につながっていくのだと思います。

私は、深い愛の人になりたいと思います。
感謝を忘れず、謙虚であり、与えられた仕事に誠実でありたい。

結果のすべてを自分で決めることはできません。
しかし、今日与えられた役割に真心を尽くすことはできます。

その一歩一歩を、これからも大切にしていきたいと思います。

母は、私に命を与えてくれました。
そして、その最期を通じて、私に大切なことを教えてくれました。

人は、自力で生きているのではない。
生かされている。
だから、感謝し、謙虚に生きる。

この気づきを、私自身の人生だけで終わらせず、Diosの仕事の中にも生かしていきたいと思います。

住まいを通じて、人に安心を届けること。
思いやりを形にすること。
その積み重ねを、これからも大切にしてまいります。

今朝の公園